塩化カリウムのザッピング

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トロッコ問題を授業で取り扱ったことが問題になっている話(後編)

 おはようございます。塩化カリウムです。前回の続きでトロッコ問題を授業で取り扱ったことが問題になっている話です。

 

前回の記事はこちらです。まだ見ていない方はこちらからどうぞ。

kcl806809.hatenablog.com

  

 前編後編で分けたのは、トロッコ問題には授業で扱った部分だけではなく続き(派生)があり、それを後編で書きたかったからです。

 

ロッコ問題の続きは、線路を切り替えるのではなく人を突き落とすことに変わります。トロッコが暴走しており、このままでは五人が死んでしまいますが、橋の上に太った人がいてその人を突き落とせばどうやらトロッコは止まりそうです。さてあなたは太った人を突き落としますか?

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犠牲を減らすために人を突き落とすか

  線路を切り替えるか?というシチュエーションでは「切り替える」と答える人が多いようですが、このシチュエーションでは人を突き落とさない選択をする人が多いようです。「自分の選択によって本来無関係だった人間を殺してしまう」ということは全く同じなのに、です。

どうやら、自分の手を直接使って人を殺すかどうかが選択に関わる大きな要素みたいですね。

 

因みに私の選択はどちらの場合も何もしないことです。犠牲を減らすために手を下せば明確な「殺人」になりますし、五人が死んでしまうことこそが自然な運命だからです。

 

皆様は「より多くの人間を救う」or「関係のない人を殺さない」のどちらをとりますか?

もちろん、この問題に正解も間違いもないと思います。そもそも、「誰かが死ななければならない」というあんまり救いのない話ではありますから。

 

 

ロッコ問題が有名になったのはマイケル・サンデル教授の「ハーバード白熱教室」や著作「これからの「正義」の話をしよう」の影響が大きいと思われます。未読の方はぜひ読んでみてください。哲学の面白さが詰め込まれています。


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余談ですが、Fate/ZeroFate/stay nightはこのトロッコ問題を一つのテーマにしている気がします。衛宮切嗣は「大勢を救うために罪のない少数を切り捨てる」派ですね。

Fateシリーズはもっと多くの人たちに知ってもらいたい深く考えさせられる作品です。履修しておいて損はないです。


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  トロッコ問題が授業で取り扱われて問題になっている件に戻ります。批判されている理由の一つが、「テーマが極端すぎる、衝撃的すぎるし考える必要があるのか疑問」ということでしょうが、私は「考える必要がある」と断言します。

私は、最初にまず極論を考えることは非常に重要だと考えています。極論を考えた後、現実問題への応用を考えていくことが、アプローチとして非常に有効だと思います。

確かに内容は重いものです。しかし現実には不条理が蔓延しています。必ず犠牲がでるとき、あなたはどうするか。この問題を一人一人がしっかりと考えておくことで、世界が良い方向へと動いていくことでしょう。

 

子供が成長して、「こんな問題を考える必要はない」なんてことを言う大人にならないことを願ってやみません。

 

この話はここまでにしようと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。